脳動脈瘤手術における temporary clip の安全性と問題点 術中SEPモニタリング結果との対比

脳動脈瘤手術そのものによる合併症は依然morbidityの14%を占めている11). そのなかでも術中破裂は高いmortality, morbidityを示す2). 術中破裂の有効なstrategyのひとつであるtemporary clipping(以下TCと略す)は脳動脈瘤内圧を減少させneckの剥離を容易にする. SEPモニター下TCは不可逆的脳虚血回避に有効とされており4)8)10)13)18)19)31)32)33). 名寄市立総合病院脳神経外科では通常の脳動脈瘤手術においてもSEPモニター下TCを行ってきた12)20)-23)27)28)29). 本研究ではSEPモニター下TCで必ず...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 26; no. 5; pp. 318 - 325
Main Authors 田村, 康夫, 橋本, 学, 米増, 祐吉, 滝沢, 克己, 川田, 佳克, 中井, 啓文, 木村, 輝雄, 加藤, 光宏, 徳光, 直樹, 佐藤, 正夫, 佐古, 和廣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1998
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.26.5_318

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Summary:脳動脈瘤手術そのものによる合併症は依然morbidityの14%を占めている11). そのなかでも術中破裂は高いmortality, morbidityを示す2). 術中破裂の有効なstrategyのひとつであるtemporary clipping(以下TCと略す)は脳動脈瘤内圧を減少させneckの剥離を容易にする. SEPモニター下TCは不可逆的脳虚血回避に有効とされており4)8)10)13)18)19)31)32)33). 名寄市立総合病院脳神経外科では通常の脳動脈瘤手術においてもSEPモニター下TCを行ってきた12)20)-23)27)28)29). 本研究ではSEPモニター下TCで必ずしも安全でない点について報告する. 対象と方法 1992年7月から1996年10月までの脳動脈瘤手術時にTCが用いられた症例を対象とした. TC以外の要因が転帰に影響した症例(neck clippingにより分枝や穿通枝が損傷されたもの, 術前脳内血腫合併したもの)は除いた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.26.5_318