脊髄小脳変性症患者に発症した胃軸捻転症の1例

胃軸捻転症は比較的まれな良性疾患である.今回われわれは,小脳脊髄変性症を患った患者に特発性な胃軸捻転症を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は69歳,男性.誤嚥性肺炎を発症した際に突然の腹部膨満が出現した.腹部X線写真,CTでは著明な胃拡張があったがそれ以外異常所見は指摘されなかった.胃管留置ができず,内視鏡下にて留置した.内視鏡下胃瘻を造設し,ここからの上部消化管造影,ならびに腹部3D-CTにて胃軸捻転と診断した.保存的加療では軽快しないため幽門側胃切除を施行した.術後は安定期もあったが小脳脊髄変性症の増悪にて第330病日に永眠された....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 1; pp. 63 - 66
Main Authors 柴田, 邦隆, 森本, 修邦, 福崎, 孝幸, 安座間, 隆, 小林, 哲郎, 平尾, 隆文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.63

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Summary:胃軸捻転症は比較的まれな良性疾患である.今回われわれは,小脳脊髄変性症を患った患者に特発性な胃軸捻転症を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は69歳,男性.誤嚥性肺炎を発症した際に突然の腹部膨満が出現した.腹部X線写真,CTでは著明な胃拡張があったがそれ以外異常所見は指摘されなかった.胃管留置ができず,内視鏡下にて留置した.内視鏡下胃瘻を造設し,ここからの上部消化管造影,ならびに腹部3D-CTにて胃軸捻転と診断した.保存的加療では軽快しないため幽門側胃切除を施行した.術後は安定期もあったが小脳脊髄変性症の増悪にて第330病日に永眠された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.63