下部消化管穿孔症例の術後創管理における予防的局所陰圧閉鎖療法の有用性の検討

下部消化管穿孔症例では手術部位感染(surgical site infection:以下,SSI)を生じると,入院期間の延長や医療費の増大につながるが,近年,予防的な局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:以下,NPWT)がSSI予防に有用との報告が散見される。当科では下部消化管穿孔症例に対して創部は一次閉鎖していたが,2013年1月から2017年12月でSSI発生率は21例/63例(33.3%)であった。高率にSSIを生じている背景から,2018年1月より予防的NPWTを導入し2018年8月までで8例施行した。予防的NPWT施行群8例のうち7例ではS...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 39; no. 7; pp. 1185 - 1189
Main Authors 橋本, 慎太郎, 西牟田, 雅人, 福岡, 秀敏, 荒井, 淳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.11.2019
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.39.1185

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Summary:下部消化管穿孔症例では手術部位感染(surgical site infection:以下,SSI)を生じると,入院期間の延長や医療費の増大につながるが,近年,予防的な局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:以下,NPWT)がSSI予防に有用との報告が散見される。当科では下部消化管穿孔症例に対して創部は一次閉鎖していたが,2013年1月から2017年12月でSSI発生率は21例/63例(33.3%)であった。高率にSSIを生じている背景から,2018年1月より予防的NPWTを導入し2018年8月までで8例施行した。予防的NPWT施行群8例のうち7例ではSSIは生じなかったが,1例ではSSIを認めた。下部消化管穿孔症例に対する予防的NPWTは有用な可能性もあるが,施行する症例の選択,適切なNPWTの管理法などはさらなる検討が必要である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.39.1185