若年者の原発性自然気胸に対する,自動縫合器を用いないブラ切除と胸膜手縫い縫合による胸腔鏡下手術の検討

【目的】胸腔鏡下肺囊胞切除,胸膜縫合術の治療成績や安全性について検討した.【対象】2010年1月から2016年8月に当科で35歳以下の原発性自然気胸に対し胸腔鏡下肺囊胞切除,胸膜縫合術を施行した50例.【結果】年齢の中央値は19歳で男性41例,女性9例であった.処置したブラの個数の中央値は2個で,手術時間の中央値は113分であった.術後合併症は2例(4.0%)に認め,いずれも創感染であった.術後ドレーン留置期間の中央値は1日であった.術後再発を7例(14.0%)に認めたが,いずれも19歳以下の症例であり,20歳以上の症例での再発は認めなかった.【考察】本術式の治療成績や安全性は,従来の自動縫合...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 1; pp. 7 - 11
Main Authors 中川, 靖士, 広瀬, 敏幸, 松本, 大資, 藤本, 啓介, 住友, 正幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2018
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.32.7

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Summary:【目的】胸腔鏡下肺囊胞切除,胸膜縫合術の治療成績や安全性について検討した.【対象】2010年1月から2016年8月に当科で35歳以下の原発性自然気胸に対し胸腔鏡下肺囊胞切除,胸膜縫合術を施行した50例.【結果】年齢の中央値は19歳で男性41例,女性9例であった.処置したブラの個数の中央値は2個で,手術時間の中央値は113分であった.術後合併症は2例(4.0%)に認め,いずれも創感染であった.術後ドレーン留置期間の中央値は1日であった.術後再発を7例(14.0%)に認めたが,いずれも19歳以下の症例であり,20歳以上の症例での再発は認めなかった.【考察】本術式の治療成績や安全性は,従来の自動縫合器による切除と比較して遜色ない結果であった.局所制御は良好であり,19歳以下の症例に対しては臓側胸膜に対するカバーリング等により更に改善する余地があると思われる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.32.7