受傷後30年以上経て三尖弁形成術を施行した外傷性三尖弁閉鎖不全症の1症例

症例は62歳男性.28歳時に壁とトラックに胸部を挟まれる事故に遭遇し,35歳頃より労作時息切れなど症状が出現し,経胸壁心エコーでIV度の三尖弁閉鎖不全症を認めた.以後,保存的加療で経過観察されていたが,心不全症状の悪化と下肢浮腫が半年前から出現したため,手術を行った.三尖弁前尖の腱索断裂と右室中隔心筋に腱索起始部の瘢痕跡を認めたため,手術は三尖弁に対して人工腱索再建と弁輪形成を施行し,同時に心房細動に対してMaze手術を施行した.受傷後30年を経過していた時点における手術介入にもかかわらず,心機能は改善し,洞調律に回復維持している....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 42; no. 4; pp. 329 - 332
Main Authors 谷村, 信宏, 戸部, 智, 杉山, 博信, 松尾, 辰朗, 林, 太郎, 納庄, 弘基, 山口, 眞弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2013
Subjects
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.42.329

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Summary:症例は62歳男性.28歳時に壁とトラックに胸部を挟まれる事故に遭遇し,35歳頃より労作時息切れなど症状が出現し,経胸壁心エコーでIV度の三尖弁閉鎖不全症を認めた.以後,保存的加療で経過観察されていたが,心不全症状の悪化と下肢浮腫が半年前から出現したため,手術を行った.三尖弁前尖の腱索断裂と右室中隔心筋に腱索起始部の瘢痕跡を認めたため,手術は三尖弁に対して人工腱索再建と弁輪形成を施行し,同時に心房細動に対してMaze手術を施行した.受傷後30年を経過していた時点における手術介入にもかかわらず,心機能は改善し,洞調律に回復維持している.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.42.329