TEVAR 施行後1年目にステントグラフトの変形を認め追加治療を行った1例

症例は55歳男性.39歳時にStanford A型大動脈解離を発症し,上行弓部置換術を施行した.54歳時にStanford B型大動脈解離を発症し安静降圧治療を行ったが,遠位弓部大動脈の血管径が拡大したためB型解離発症1カ月後にエントリー閉鎖目的でステントグラフト(SG)内挿術を行った.術後半年までのCTでSG留置部に形態的な異常を認めなかったが,術後1年目のCTでSGが変形していることを認めたため追加治療を行った.SG変形に対してバルーン圧着を試みると,バルーン拡張に伴いSGは容易に正常形態へ矯正できたがバルーン拡張を止めると再度変形した.そこで矯正状態を保持するためにSGを追加した.追加治...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 45; no. 5; pp. 247 - 250
Main Authors 青木, 賢治, 土田, 正則, 名村, 理, 佐藤, 裕喜, 岡本, 竹司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2016
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.45.247

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Summary:症例は55歳男性.39歳時にStanford A型大動脈解離を発症し,上行弓部置換術を施行した.54歳時にStanford B型大動脈解離を発症し安静降圧治療を行ったが,遠位弓部大動脈の血管径が拡大したためB型解離発症1カ月後にエントリー閉鎖目的でステントグラフト(SG)内挿術を行った.術後半年までのCTでSG留置部に形態的な異常を認めなかったが,術後1年目のCTでSGが変形していることを認めたため追加治療を行った.SG変形に対してバルーン圧着を試みると,バルーン拡張に伴いSGは容易に正常形態へ矯正できたがバルーン拡張を止めると再度変形した.そこで矯正状態を保持するためにSGを追加した.追加治療後2年以上経過したがSGの再変形はない.TEVAR後遠隔期の合併症として非常に稀であるSG変形を経験したので報告した.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.45.247