特発性門脈圧亢進症に併発した巨大脾動脈瘤破裂の1例
症例は67歳女性。労作時の腹痛で当院へ救急搬送された。来院時,血圧は99/58mmHgと低値であり,腹部CTでは最大径8cm大の巨大な脾動脈瘤を認め,腹腔内と後腹膜に血性腹水および血腫を伴っていた。また傍臍静脈は著明に怒張していた。採血では血小板低値,ビリルビン高値を示した。以上より,非代償性肝硬変に伴う巨大脾動脈瘤破裂と診断した。Interventional Radiology (IVR)での止血は困難と判断,緊急開腹手術を施行した。穿孔した脾動脈瘤は膵尾部と固着していたため,膵体尾部切除・脾摘を施行した。術中に採取された肝生検では線維化はなく,特発性門脈圧亢進症と診断された。...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 38; no. 6; pp. 1025 - 1030 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
30.09.2018
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.38.1025 |
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Summary: | 症例は67歳女性。労作時の腹痛で当院へ救急搬送された。来院時,血圧は99/58mmHgと低値であり,腹部CTでは最大径8cm大の巨大な脾動脈瘤を認め,腹腔内と後腹膜に血性腹水および血腫を伴っていた。また傍臍静脈は著明に怒張していた。採血では血小板低値,ビリルビン高値を示した。以上より,非代償性肝硬変に伴う巨大脾動脈瘤破裂と診断した。Interventional Radiology (IVR)での止血は困難と判断,緊急開腹手術を施行した。穿孔した脾動脈瘤は膵尾部と固着していたため,膵体尾部切除・脾摘を施行した。術中に採取された肝生検では線維化はなく,特発性門脈圧亢進症と診断された。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.38.1025 |