フラッシュ法におけるラプラス空間解析法を用いた熱拡散率解析時の適正ラプラス変数

フラッシュ法を用いた熱拡散率等の解析をラプラス空間で行う場合,ラプラス変数を設定する必要がある.裏面温度理論式と同条件で測定したデータであれば問題が無いが,異なる条件での測定となる場合が多くこのことによりラプラス変数の適正領域が決定される.本論文では単層材の熱拡散率とビオ数の解析を想定し,理論式と異なる測定条件として測定データ有限性と時刻原点のずれを取り上げ,それぞれのラプラス変数適正領域を確認した.ラプラス変数の適正領域はラプラス変数pと測定時間tmの積(p×tm)により確認した.測定データの有限性はラプラス変数適正領域の下限を決定し,時刻原点のずれはラプラス変数適正領域の上限を決定する.解...

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Published in熱物性 Vol. 35; no. 3; pp. 105 - 113
Main Authors 細野, 和也, 西, 剛史, 太田, 弘道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2021
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Summary:フラッシュ法を用いた熱拡散率等の解析をラプラス空間で行う場合,ラプラス変数を設定する必要がある.裏面温度理論式と同条件で測定したデータであれば問題が無いが,異なる条件での測定となる場合が多くこのことによりラプラス変数の適正領域が決定される.本論文では単層材の熱拡散率とビオ数の解析を想定し,理論式と異なる測定条件として測定データ有限性と時刻原点のずれを取り上げ,それぞれのラプラス変数適正領域を確認した.ラプラス変数の適正領域はラプラス変数pと測定時間tmの積(p×tm)により確認した.測定データの有限性はラプラス変数適正領域の下限を決定し,時刻原点のずれはラプラス変数適正領域の上限を決定する.解析時にはラプラス変数をこの上限と下限で挟まれる範囲に設定することになる.ラプラス変数適正領域は測定時間が長いほど範囲が広くなり,時刻原点のずれが大きいほど狭くなる.熱拡散率に対するラプラス変数の適正領域は,ビオ数に対する適正領域より広い.
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.35.105