徒手整復で改善した胸腔鏡手術後肋間肺ヘルニアの1例
症例は77歳,男性.検診の胸部CT検査にて右下葉に異常結節を指摘され,当科に紹介受診した.肺癌(cT1bN0M0,stage IA2)が疑われた.右第5肋間に2孔,右第7肋間に2孔の胸腔鏡下右下葉切除,リンパ節郭清術を施行した.術後経過は概ね良好だったが,第9病日に突然右胸部の違和感と血痰の増悪,第5肋間創部直下に手拳大の膨隆を認めた.胸部CTでは右第5肋間をヘルニア門として中葉の一部が嵌頓していた.肺実質は用手的に還納でき,胸帯での持続圧迫と咳嗽時にはヘルニア門の圧迫を指導した.その後,肋間肺ヘルニアの再発は認めず,再手術することなく退院となった.術後2年経過するが,肋間肺ヘルニアの再発は認...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 8; pp. 1764 - 1768 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2017
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.78.1764 |
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Summary: | 症例は77歳,男性.検診の胸部CT検査にて右下葉に異常結節を指摘され,当科に紹介受診した.肺癌(cT1bN0M0,stage IA2)が疑われた.右第5肋間に2孔,右第7肋間に2孔の胸腔鏡下右下葉切除,リンパ節郭清術を施行した.術後経過は概ね良好だったが,第9病日に突然右胸部の違和感と血痰の増悪,第5肋間創部直下に手拳大の膨隆を認めた.胸部CTでは右第5肋間をヘルニア門として中葉の一部が嵌頓していた.肺実質は用手的に還納でき,胸帯での持続圧迫と咳嗽時にはヘルニア門の圧迫を指導した.その後,肋間肺ヘルニアの再発は認めず,再手術することなく退院となった.術後2年経過するが,肋間肺ヘルニアの再発は認めていない. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.78.1764 |