副神経を温存し,頸神経を切断した頸部郭清術後の障害と早期リハビリ介入の有用性の検討

頭頸部癌に対する頸部郭清術後には様々な後遺障害が生じる。それらを軽減させる目的で近年は術後早期のリハビリテーション(以下リハビリ)の介入が推奨されている。今回,副神経を温存した頸部郭清術後患者を対象に頸部郭清術後問診票と上肢挙上テストを実施し,リハビリ介入と術後障害の関係について検討した。リハビリ未介入群では術後約7割の患者が痺れや痛み等の感覚障害を訴え,約2割の患者が上肢挙上障害等の運動障害を訴えていることが分かった。リハビリ介入群と比較すると,運動障害に対しては有意な差を認めなかったものの,締め付けやしびれ等の感覚障害に対しては有意に軽減しており,リハビリの有用性が示唆された。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 28; no. 1; pp. 63 - 68
Main Authors 中村, 伸太郎, 坂本, 耕二, 斎藤, 真, 小川, 郁, 野口, 勝, 新田, 清一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.28.63

Cover

More Information
Summary:頭頸部癌に対する頸部郭清術後には様々な後遺障害が生じる。それらを軽減させる目的で近年は術後早期のリハビリテーション(以下リハビリ)の介入が推奨されている。今回,副神経を温存した頸部郭清術後患者を対象に頸部郭清術後問診票と上肢挙上テストを実施し,リハビリ介入と術後障害の関係について検討した。リハビリ未介入群では術後約7割の患者が痺れや痛み等の感覚障害を訴え,約2割の患者が上肢挙上障害等の運動障害を訴えていることが分かった。リハビリ介入群と比較すると,運動障害に対しては有意な差を認めなかったものの,締め付けやしびれ等の感覚障害に対しては有意に軽減しており,リハビリの有用性が示唆された。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.28.63