結腸間膜内に穿通し膿瘍を形成した横行結腸憩室炎の1例
症例は41歳,男性.受診前日の夕方より左側腹部痛が出現した.症状が徐々に増悪したため,近医を受診したところ急性腹症と診断され,当院救急搬送となった.腹部所見では心窩部に筋性防御を伴う腹膜刺激徴候を認めた.精査の腹部CTでは横行結腸近傍の腸管外にair densityを認め,同部位周囲の脂肪織濃度は著明に上昇していた.腹部所見・CT所見より横行結腸穿孔と診断し,同日,緊急手術を施行した.開腹所見から横行結腸憩室炎に伴う腸間膜内穿通と診断し,横行結腸部分切除術を施行した.切除標本で粘膜面から腸間膜内へ交通する2mm大の穿通部位を認めた.術後経過は良好で第10病日に退院となった....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 6; pp. 1621 - 1626 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2014
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.75.1621 |
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Summary: | 症例は41歳,男性.受診前日の夕方より左側腹部痛が出現した.症状が徐々に増悪したため,近医を受診したところ急性腹症と診断され,当院救急搬送となった.腹部所見では心窩部に筋性防御を伴う腹膜刺激徴候を認めた.精査の腹部CTでは横行結腸近傍の腸管外にair densityを認め,同部位周囲の脂肪織濃度は著明に上昇していた.腹部所見・CT所見より横行結腸穿孔と診断し,同日,緊急手術を施行した.開腹所見から横行結腸憩室炎に伴う腸間膜内穿通と診断し,横行結腸部分切除術を施行した.切除標本で粘膜面から腸間膜内へ交通する2mm大の穿通部位を認めた.術後経過は良好で第10病日に退院となった. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.75.1621 |