体外式膜型人工肺を用いた気道確保が有用であった甲状腺癌気管浸潤の2症例

甲状腺癌高度気管浸潤例においては,外科的治療の際に気管挿管や気管切開が困難で,全身麻酔導入への気道確保に難渋する症例も存在する。こうした症例に対しては,体外式膜型人工肺(Extra Corporeal Membrane Oxygenation,以下ECMO)を用いた気道確保が有効であり,近年使用例も増加している。今回われわれは気管浸潤を伴う甲状腺癌手術においてVA-ECMOを用いて気道確保した2例を経験した。ECMOの特長や導入時の留意点,穿刺血管の選択を含めた文献的考察を加えて報告する。適切な手技を選択することで,ECMOは高度な気道狭窄を伴う頭頸部癌手術の際の有用な気道確保の手段になり得る...

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Published in頭頸部外科 Vol. 30; no. 1; pp. 93 - 98
Main Authors 木村, 有佐, 平野, 滋, 山崎, 祥子, 辻川, 敬裕, 石井, 祥代, 中村, 高志, 天谷, 文昌, 新井, 啓仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2020
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.30.93

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Summary:甲状腺癌高度気管浸潤例においては,外科的治療の際に気管挿管や気管切開が困難で,全身麻酔導入への気道確保に難渋する症例も存在する。こうした症例に対しては,体外式膜型人工肺(Extra Corporeal Membrane Oxygenation,以下ECMO)を用いた気道確保が有効であり,近年使用例も増加している。今回われわれは気管浸潤を伴う甲状腺癌手術においてVA-ECMOを用いて気道確保した2例を経験した。ECMOの特長や導入時の留意点,穿刺血管の選択を含めた文献的考察を加えて報告する。適切な手技を選択することで,ECMOは高度な気道狭窄を伴う頭頸部癌手術の際の有用な気道確保の手段になり得る。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.30.93