腹腔鏡下sandwich法にて修復を行った傍ストーマヘルニアの1例

今回われわれは,傍ストーマヘルニアに対しsandwich法にて腹腔鏡下に修復術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は71歳の女性.多発肝転移を伴うS状結腸癌に対しHartmann手術を施行したが,術後1年5カ月より傍ストーマヘルニアを認めた.腹痛等の症状増悪を認め,また肝転移は化学療法で制御されていたため手術の方針とした.ポートは右側腹部・右上腹部・右下腹部に留置し,腹腔内を観察するとヘルニア門は約8cmであった.ヘルニア門を縫縮した後keyhole法,さらにSugarbaker法にて修復を行った.術後経過は良好で早期に化学療法を再開でき,ヘルニアの再発も認めていない.腹腔鏡下手術は低侵襲...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 8; pp. 2057 - 2060
Main Authors 原, 拓央, 小竹, 優範, 林, 憲吾, 加藤, 洋介, 羽田, 匡宏, 平沼, 知加志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.2057

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Summary:今回われわれは,傍ストーマヘルニアに対しsandwich法にて腹腔鏡下に修復術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は71歳の女性.多発肝転移を伴うS状結腸癌に対しHartmann手術を施行したが,術後1年5カ月より傍ストーマヘルニアを認めた.腹痛等の症状増悪を認め,また肝転移は化学療法で制御されていたため手術の方針とした.ポートは右側腹部・右上腹部・右下腹部に留置し,腹腔内を観察するとヘルニア門は約8cmであった.ヘルニア門を縫縮した後keyhole法,さらにSugarbaker法にて修復を行った.術後経過は良好で早期に化学療法を再開でき,ヘルニアの再発も認めていない.腹腔鏡下手術は低侵襲で感染のリスクやストーマ管理の変更点が少なく,優れた治療法であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.2057