抗EGFR抗体併用療法が無効であったKRAS exon 2野生型大腸癌の1例

抗EGFR抗体併用療法が無効と考えられたKRAS exon 2野生型・exon 4変異型大腸癌の1例を経験したので報告する.症例は29歳,女性.発熱と腹痛を主訴に受診し,膀胱,腹壁浸潤,および腹壁膿瘍を伴う9cm大のS状結腸癌と診断した.根治切除は困難でKRAS(従来のKRAS測定対象)野生型であったため,一次治療にmFOLFOX6 + Cetuximab 4コース,二次治療にFOLFIRI + Cetuximab 2コースを行ったがいずれも増悪を認めた.三次治療でFOLFIRI + Bevacizumabを行ったところ奏効し原発巣は7コース後,5cm大に縮小し根治切除を行った.後にALL R...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 9; pp. 2259 - 2263
Main Authors 中山, 真緒, 矢野, 有紀, 岡山, 幸代, 吉松, 和彦, 成高, 義彦, 横溝, 肇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.2259

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Summary:抗EGFR抗体併用療法が無効と考えられたKRAS exon 2野生型・exon 4変異型大腸癌の1例を経験したので報告する.症例は29歳,女性.発熱と腹痛を主訴に受診し,膀胱,腹壁浸潤,および腹壁膿瘍を伴う9cm大のS状結腸癌と診断した.根治切除は困難でKRAS(従来のKRAS測定対象)野生型であったため,一次治療にmFOLFOX6 + Cetuximab 4コース,二次治療にFOLFIRI + Cetuximab 2コースを行ったがいずれも増悪を認めた.三次治療でFOLFIRI + Bevacizumabを行ったところ奏効し原発巣は7コース後,5cm大に縮小し根治切除を行った.後にALL RASの追加測定でKRAS exon 4変異を認めたことから,KRAS変異のためCetuximabの腫瘍縮小効果が得られなかった可能性が考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.2259