腹腔鏡下肝外側区域切除術を施行した肝血管筋脂肪腫の1例

症例は48歳,女性.胸部不快感を訴え受診し,冠動脈CTにて偶然に肝腫瘍を指摘された.肝外側区域に約2cm大の腫瘍を認め,増大傾向を示したため,肝細胞癌を否定できず,手術の方針とし,腹腔鏡下肝外側区域切除術を施行した.病理組織学的検査所見では,α-SMA・HMB-45陽性で肝血管筋脂肪腫と診断された.肝血管筋脂肪腫は比較的稀な良性腫瘍であり,術前診断に難渋した症例が数多く報告されている.悪性腫瘍に対して生検を行った場合の,出血や播種の可能性を考慮すると,診断と治療を兼ねた腹腔鏡下肝切除術は有用と思われたので報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 6; pp. 1368 - 1374
Main Authors 森, 理, 蔵本, 俊輔, 沖津, 宏, 富林, 敦司, 藤原, 聡史, 湯浅, 康弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.1368

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Summary:症例は48歳,女性.胸部不快感を訴え受診し,冠動脈CTにて偶然に肝腫瘍を指摘された.肝外側区域に約2cm大の腫瘍を認め,増大傾向を示したため,肝細胞癌を否定できず,手術の方針とし,腹腔鏡下肝外側区域切除術を施行した.病理組織学的検査所見では,α-SMA・HMB-45陽性で肝血管筋脂肪腫と診断された.肝血管筋脂肪腫は比較的稀な良性腫瘍であり,術前診断に難渋した症例が数多く報告されている.悪性腫瘍に対して生検を行った場合の,出血や播種の可能性を考慮すると,診断と治療を兼ねた腹腔鏡下肝切除術は有用と思われたので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.1368