コーラによる溶解療法が奏効した胃石イレウスの1例

小腸内胃石と胃内の胃石に対し,コーラによる溶解療法が奏効した1例を報告する.症例は74歳の男性で,嘔気・嘔吐を主訴に当院を受診し,食餌性小腸イレウスの診断で入院した.イレウス管を留置したが改善せず,経過中のCTにて小腸内に嵌頓した胃石がイレウスの原因と考えられた.イレウス管よりコーラを注入し溶解療法を試みたところ,速やかに胃石が溶解・軟化し,イレウスが解除された.また,胃内に留まっている胃石に対してもコーラによる溶解と生検鉗子・スネアを用いた破砕を併用し,安全に治療しえた.これまで胃石イレウスに対する治療には,早期診断による外科手術が必要と考えられてきたが,コーラによる溶解療法が有効である可能...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 8; pp. 2182 - 2187
Main Authors 宗岡, 悠介, 長谷川, 潤, 木戸, 知紀, 内藤, 哲也, 谷, 達夫, 島影, 尚弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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Summary:小腸内胃石と胃内の胃石に対し,コーラによる溶解療法が奏効した1例を報告する.症例は74歳の男性で,嘔気・嘔吐を主訴に当院を受診し,食餌性小腸イレウスの診断で入院した.イレウス管を留置したが改善せず,経過中のCTにて小腸内に嵌頓した胃石がイレウスの原因と考えられた.イレウス管よりコーラを注入し溶解療法を試みたところ,速やかに胃石が溶解・軟化し,イレウスが解除された.また,胃内に留まっている胃石に対してもコーラによる溶解と生検鉗子・スネアを用いた破砕を併用し,安全に治療しえた.これまで胃石イレウスに対する治療には,早期診断による外科手術が必要と考えられてきたが,コーラによる溶解療法が有効である可能性が示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.2182