腹腔鏡・内視鏡合同手術を施行した腹腔内原発Castleman病の1例

症例は35歳,女性.4年前に心窩部痛が出現し,CTにて胃近傍に20mm大の腫瘤を指摘されていたが,増大傾向となったため精査加療目的に当院紹介受診となった.各種画像検査や生検では確定診断に至らなかったが,増大傾向を認めることから診断および治療目的に外科切除の方針とした.術中所見では胃体部小彎に固着した腫瘤を認めたため,腹腔鏡・内視鏡合同手術で腫瘍を含めた胃局所切除術を施行した.最終的には病理組織検査でCastleman病と診断された.Castleman病は,年間100万人あたり1~5人に発症する原因不明のリンパ増殖性疾患であり,腹腔内での発生は3.2%程度と報告されている.今回,術前診断には難渋...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 6; pp. 1115 - 1119
Main Authors 夏越, 祥次, 有上, 貴明, 濵平, 昂一, 柳田, 茂寛, 松下, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.80.1115

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Summary:症例は35歳,女性.4年前に心窩部痛が出現し,CTにて胃近傍に20mm大の腫瘤を指摘されていたが,増大傾向となったため精査加療目的に当院紹介受診となった.各種画像検査や生検では確定診断に至らなかったが,増大傾向を認めることから診断および治療目的に外科切除の方針とした.術中所見では胃体部小彎に固着した腫瘤を認めたため,腹腔鏡・内視鏡合同手術で腫瘍を含めた胃局所切除術を施行した.最終的には病理組織検査でCastleman病と診断された.Castleman病は,年間100万人あたり1~5人に発症する原因不明のリンパ増殖性疾患であり,腹腔内での発生は3.2%程度と報告されている.今回,術前診断には難渋したが,腹腔鏡・内視鏡合同手術により確定診断に至った比較的稀なCastleman病の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.1115