硬膜内巨大脳動脈瘤直達手術例の検討 特に血栓化を伴う例について

「はじめに」巨大脳動脈瘤には, microsurgeryの普及した今日においても手術操作が困難な例が多く, 治療成績の悪い脳動脈瘤の1つとされる. 特に, 動脈瘤内部が血栓化したものは, 動脈瘤が固く, neckの壁の厚いことからclippingが困難となったり, 親血管を閉塞しやすくなること, 動脈瘤が退縮しない分, 周囲の脳の圧排が強くなりやすいこと, 手術操作により血栓が飛ぶ可能性のあることなどが指摘されており, いずれも手術成績を悪化させる要因と思われる. そこで, われわれが現在までに直達手術を行った硬膜内巨大動脈瘤の治療成績について検討し, 瘤内血栓の有無が, 手術操作, 手術成績...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 25; no. 3; pp. 219 - 225
Main Authors 堀越, 徹, 貫井, 英明, 保坂, 力, 柿沢, 敏之, 三塚, 繁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.05.1997
日本脳卒中の外科研究会
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Summary:「はじめに」巨大脳動脈瘤には, microsurgeryの普及した今日においても手術操作が困難な例が多く, 治療成績の悪い脳動脈瘤の1つとされる. 特に, 動脈瘤内部が血栓化したものは, 動脈瘤が固く, neckの壁の厚いことからclippingが困難となったり, 親血管を閉塞しやすくなること, 動脈瘤が退縮しない分, 周囲の脳の圧排が強くなりやすいこと, 手術操作により血栓が飛ぶ可能性のあることなどが指摘されており, いずれも手術成績を悪化させる要因と思われる. そこで, われわれが現在までに直達手術を行った硬膜内巨大動脈瘤の治療成績について検討し, 瘤内血栓の有無が, 手術操作, 手術成績に及ぼす影響, 手術手技上の留意点を考察した. 「対象」当施設および関連施設において著者らが直達手術を行った硬膜内に存在する直径25mm以上の巨大脳動脈瘤32例を対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.25.3_219