肺原発多形癌切除例の検討

肺原発多型癌(pleomorphic carcinoma)は1999年のWHO分類第3版で提唱された稀な組織型で,肉腫成分の紡錘細胞や巨細胞を少なくとも10%以上含む非小細胞肺癌で予後不良とされている.今回われわれは,2007年10月から2014年3月までの期間で,当院で肺癌に対して手術を施行した389例中,肺原発多型癌と診断された15例の検討を行った.性別は男性12例・女性3例で,年齢の中央値は65歳(54~83歳)であった.再発は10例に認め,そのうち6例は原病死した.再発を認めた10例の再発までの中央値は107日(17~301日)で9例は術後6カ月以内の再発であった.2年以上の無再発生存...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 7; pp. 1549 - 1552
Main Authors 鈴木, 友啓, 大竹, 節之, 大野, 耕一, 武藤, 潤, 梅本, 一史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.1549

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Summary:肺原発多型癌(pleomorphic carcinoma)は1999年のWHO分類第3版で提唱された稀な組織型で,肉腫成分の紡錘細胞や巨細胞を少なくとも10%以上含む非小細胞肺癌で予後不良とされている.今回われわれは,2007年10月から2014年3月までの期間で,当院で肺癌に対して手術を施行した389例中,肺原発多型癌と診断された15例の検討を行った.性別は男性12例・女性3例で,年齢の中央値は65歳(54~83歳)であった.再発は10例に認め,そのうち6例は原病死した.再発を認めた10例の再発までの中央値は107日(17~301日)で9例は術後6カ月以内の再発であった.2年以上の無再発生存症例は2例に認め,1例は局所進行症例だったが,両者ともリンパ節転移陰性だった.肺原発多型癌は予後不良な腫瘍だが,局所進行の症例でもリンパ節転移が陰性であれば予後が期待出来る症例が存在する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.1549