小児心臓手術後の早期抜管に関連する因子の検討

【目的】小児心臓手術後の抜管時期は近年早まってきている。当院における早期抜管の現状と,関連する因子を検討した。【方法】2006~2008年に小児心臓手術を受け,pediatric ICU(PICU)に入室した395名の挿管時間と背景因子を後ろ向きに収集した。抜管時期が入室後3時間以内(≦3時間群)と3時間を超えた場合(>3時間群)の2群に分類して,早期抜管に関連する因子を検討した。【結果】≦3時間群は219例(55.4%),>3時間群は176例(44.6%)であった。多変量解析により,早期抜管の関連因子は,体重(P=0.005),Risk Adjustment for Congenital H...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 19; no. 2; pp. 197 - 202
Main Authors 谷口, 彩乃, 細川, 康二, 志馬, 伸朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 2012
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Summary:【目的】小児心臓手術後の抜管時期は近年早まってきている。当院における早期抜管の現状と,関連する因子を検討した。【方法】2006~2008年に小児心臓手術を受け,pediatric ICU(PICU)に入室した395名の挿管時間と背景因子を後ろ向きに収集した。抜管時期が入室後3時間以内(≦3時間群)と3時間を超えた場合(>3時間群)の2群に分類して,早期抜管に関連する因子を検討した。【結果】≦3時間群は219例(55.4%),>3時間群は176例(44.6%)であった。多変量解析により,早期抜管の関連因子は,体重(P=0.005),Risk Adjustment for Congenital Heart Surgery(RACHS)-1カテゴリー(P=0.0001),術中フェンタニル投与量(P<0.0001)であった。≦3時間群の再挿管率は0.5%,呼吸器合併症発生率は4.6%であった。【結論】体重,手術複雑度,術中の麻薬投与量が早期抜管に関連する。入室後3時間以内の抜管では再挿管率と呼吸器合併症発生率が低かった。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.19.197