小児集中治療室において臭化ベクロニウム持続投与を要した症例の検討
【目的】小児集中治療室(PICU)での神経筋遮断薬持続投与の状況を調査する。【方法】2010年1月~2012年12月に当院PICUで人工呼吸管理を要した症例のうち,臭化ベクロニウム(vecuronium bromide, Vb)の持続投与を要した症例を対象とした。持続Vb投与理由で群分けをし,投与期間,総投与量,投与終了から抜管までの時間などを後ろ向きに調査した。【結果】対象は84例(月齢中央値2ヵ月)で,人工呼吸管理を要した全症例(799例)の10.5%であった。投与理由は肺高血圧発作予防(33例,投与期間中央値;43時間),肺保護換気補助(16例,72時間),術創部安静(12例,112時間...
Saved in:
Published in | 日本集中治療医学会雑誌 Vol. 22; no. 5; pp. 425 - 429 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本集中治療医学会
2015
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 【目的】小児集中治療室(PICU)での神経筋遮断薬持続投与の状況を調査する。【方法】2010年1月~2012年12月に当院PICUで人工呼吸管理を要した症例のうち,臭化ベクロニウム(vecuronium bromide, Vb)の持続投与を要した症例を対象とした。持続Vb投与理由で群分けをし,投与期間,総投与量,投与終了から抜管までの時間などを後ろ向きに調査した。【結果】対象は84例(月齢中央値2ヵ月)で,人工呼吸管理を要した全症例(799例)の10.5%であった。投与理由は肺高血圧発作予防(33例,投与期間中央値;43時間),肺保護換気補助(16例,72時間),術創部安静(12例,112時間),腹圧軽減(9例,63時間),低体温療法(5例,116時間),気道出血(5例,93時間),その他(4例,133時間)であった。【結論】各群で投与開始や終了に明確な基準はなく,今後投与目的別に神経筋遮断薬が患児予後に及ぼす影響を検討していく必要がある。 |
---|---|
ISSN: | 1340-7988 1882-966X |
DOI: | 10.3918/jsicm.22.425 |