腸重積を契機に診断された横行結腸平滑筋肉腫の1例

症例は53歳,男性.2週間ほど続く腹痛を主訴に来院.腹部CTにて右側横行結腸の肛門側へ陥入したsausage-shaped patternを認め横行結腸腸重積と診断した.下部消化管内視鏡にて横行結腸肝弯曲部に3cm大の1型腫瘍を認め,送気により重積は解除された.生検では線維化および炎症性変化を認めるのみであったが悪性所見は否定できず,待機的にリンパ節郭清を伴う結腸右半切除術を施行した.病理組織学的検索にて核分裂,核異型を伴う紡錘形細胞の結節性増殖を筋層から粘膜下層に認め,免疫組織化学染色にてc-kit,CD34陰性,desminおよびα-SMA陽性にて最終的に平滑筋肉腫と診断された.2001年...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 6; pp. 1616 - 1621
Main Authors 深田, 忠臣, 大森, 敏生, 姫野, 雄司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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Summary:症例は53歳,男性.2週間ほど続く腹痛を主訴に来院.腹部CTにて右側横行結腸の肛門側へ陥入したsausage-shaped patternを認め横行結腸腸重積と診断した.下部消化管内視鏡にて横行結腸肝弯曲部に3cm大の1型腫瘍を認め,送気により重積は解除された.生検では線維化および炎症性変化を認めるのみであったが悪性所見は否定できず,待機的にリンパ節郭清を伴う結腸右半切除術を施行した.病理組織学的検索にて核分裂,核異型を伴う紡錘形細胞の結節性増殖を筋層から粘膜下層に認め,免疫組織化学染色にてc-kit,CD34陰性,desminおよびα-SMA陽性にて最終的に平滑筋肉腫と診断された.2001年以降に免疫組織化学染色にて診断された大腸平滑筋肉腫は本邦9例であり,腸重積を伴った報告はなく本症例は稀な疾患と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.1616