大動脈四尖弁による大動脈弁閉鎖不全症の2手術症例

大動脈四尖弁は非常に稀な疾患であり,その発生頻度は剖検例の検討で0.008~0.033%と報告されている.今回,われわれは大動脈四尖弁による閉鎖不全に対して弁置換術を施行した2症例を経験し,非常に良好な結果をえたので文献的考察をふまえ報告する.症例1は41歳の女性で,3年前より健診で心雑音を指摘され,精査にて重度の大動脈弁閉鎖不全症を認め手術目的に当科紹介となった.Accessory cuspは無冠尖と右冠尖の間に存在していた.症例2は43歳の男性で,安静時の呼吸困難を認めるようになり,近医を受診した.重度の大動脈弁閉鎖不全症を指摘され当科紹介となった.Accessory cuspは右冠尖と無...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 43; no. 3; pp. 114 - 117
Main Authors 田代, 忠, 清水, 真行, 和田, 秀一, 峰松, 紀年, 大住, 真敬, 助弘, 雄太, 西見, 優, 桑原, 豪, 松村, 仁, 尼子, 真生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2014
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.43.114

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Summary:大動脈四尖弁は非常に稀な疾患であり,その発生頻度は剖検例の検討で0.008~0.033%と報告されている.今回,われわれは大動脈四尖弁による閉鎖不全に対して弁置換術を施行した2症例を経験し,非常に良好な結果をえたので文献的考察をふまえ報告する.症例1は41歳の女性で,3年前より健診で心雑音を指摘され,精査にて重度の大動脈弁閉鎖不全症を認め手術目的に当科紹介となった.Accessory cuspは無冠尖と右冠尖の間に存在していた.症例2は43歳の男性で,安静時の呼吸困難を認めるようになり,近医を受診した.重度の大動脈弁閉鎖不全症を指摘され当科紹介となった.Accessory cuspは右冠尖と無冠尖の間に存在した.2例とも大動脈弁置換術(機械弁)を施行し,経過は良好であった.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.43.114