保存的に改善した縦隔・皮下気腫を呈した穿孔性十二指腸潰瘍の1例

症例は61歳,男性.食欲不振を主訴に受診した.精査の結果,後腹膜気腫・縦隔気腫・頸部の皮下気腫を伴う十二指腸潰瘍穿孔を疑った.症状は軽微であったので,プロトンポンプ阻害剤と抗生剤による保存的療法を実施後,N/Gチューブから造影剤と上部消化管内視鏡検査で確定診断した.その後,経口摂取を開始し,20日目に退院となった.十二指腸潰瘍穿孔による,広範囲な後腹膜気腫・縦隔気腫・頸部の皮下気腫の症例は比較的少なく,まれな症例である.縦隔への炎症の波及は,重症化の可能性もあるため注意が必要であるが,保存的療法が有効な症例も存在する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 6; pp. 1583 - 1587
Main Authors 若山, 昌彦, 鈴木, 敏之, 松本, 裕史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.1583

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Summary:症例は61歳,男性.食欲不振を主訴に受診した.精査の結果,後腹膜気腫・縦隔気腫・頸部の皮下気腫を伴う十二指腸潰瘍穿孔を疑った.症状は軽微であったので,プロトンポンプ阻害剤と抗生剤による保存的療法を実施後,N/Gチューブから造影剤と上部消化管内視鏡検査で確定診断した.その後,経口摂取を開始し,20日目に退院となった.十二指腸潰瘍穿孔による,広範囲な後腹膜気腫・縦隔気腫・頸部の皮下気腫の症例は比較的少なく,まれな症例である.縦隔への炎症の波及は,重症化の可能性もあるため注意が必要であるが,保存的療法が有効な症例も存在する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.1583