クラミジア感染による小腸腸閉塞の1例

症例は23歳の女性で,腹痛を主訴に当院を受診した.腹部CTで骨盤内に小腸の拡張を認めたため,小腸腸閉塞と診断し保存的加療を開始したが,入院翌日も腹痛と嘔吐が持続したため,絞扼性腸閉塞を疑い腹腔鏡下手術を行った.骨盤内にviolin string様の線維性索状物を認め,その間隙に小腸が嵌まり込み狭窄していたため,線維性索状物を切離して狭窄を解除した.以上の手術所見と術後1日目に測定した血清クラミジアIgGが抗体陽性であったことから,クラミジア感染による小腸腸閉塞と診断した.女性の腸閉塞の診断にあたっては,クラミジア感染によるものを鑑別に加えるべきである....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 9; pp. 2066 - 2069
Main Authors 南, 貴之, 竹内, 英司, 毛利, 康一, 三宅, 秀夫, 宮田, 完志, 湯浅, 典博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.2066

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Summary:症例は23歳の女性で,腹痛を主訴に当院を受診した.腹部CTで骨盤内に小腸の拡張を認めたため,小腸腸閉塞と診断し保存的加療を開始したが,入院翌日も腹痛と嘔吐が持続したため,絞扼性腸閉塞を疑い腹腔鏡下手術を行った.骨盤内にviolin string様の線維性索状物を認め,その間隙に小腸が嵌まり込み狭窄していたため,線維性索状物を切離して狭窄を解除した.以上の手術所見と術後1日目に測定した血清クラミジアIgGが抗体陽性であったことから,クラミジア感染による小腸腸閉塞と診断した.女性の腸閉塞の診断にあたっては,クラミジア感染によるものを鑑別に加えるべきである.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.2066