急性腹症を契機に発見された回盲部腸間膜原発solitary fibrous tumorの1例
症例は33歳,男性.急激な下腹部痛を主訴に救急搬送され,下腹部全体に腫瘤を触知した.腹部CT検査では20cm大の造影効果に乏しい巨大な腫瘤,およびfree airを認めたため緊急手術を施行した.術中所見では腫瘤は回盲部腸間膜を主座とし,回腸に浸潤していたため回盲部切除術を施行した.病理組織学検査では腫瘍は長紡錘形細胞がpatternless patternを呈しつつ増殖していた.免疫染色ではCD34(+),c-kit(-),desmin(-),S-100(-)でありsolitary fibrous tumor(SFT)と診断された.腫瘍は回腸に穿通しており同部から穿孔したものと考えられた.SF...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 8; pp. 2194 - 2199 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.74.2194 |
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Summary: | 症例は33歳,男性.急激な下腹部痛を主訴に救急搬送され,下腹部全体に腫瘤を触知した.腹部CT検査では20cm大の造影効果に乏しい巨大な腫瘤,およびfree airを認めたため緊急手術を施行した.術中所見では腫瘤は回盲部腸間膜を主座とし,回腸に浸潤していたため回盲部切除術を施行した.病理組織学検査では腫瘍は長紡錘形細胞がpatternless patternを呈しつつ増殖していた.免疫染色ではCD34(+),c-kit(-),desmin(-),S-100(-)でありsolitary fibrous tumor(SFT)と診断された.腫瘍は回腸に穿通しており同部から穿孔したものと考えられた.SFTは成人に発生するまれな繊維性腫瘍であり,全身の様々な部位で発生するとされている.本症例のように急性腹症を呈した報告はなく,貴重な症例と考え若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.74.2194 |