マイクロコイル留置により術中に病変部位を同定した小腸出血の2例

小腸出血は出血部位を内視鏡で確認することが困難であり,診断に難渋することが多い.消化管出血を確認する方法としては,消化管造影検査,内視鏡,造影CT,出血シンチグラフィ,選択的血管造影など多岐にわたる.大量下血を呈する症例では出血源の速やかな同定と止血処置が必要である.腹部血管造影は出血源が同定可能であれば,マイクロカテーテルを出血責任血管に挿入し,塞栓術を施行することで止血処置が可能であり,診断と治療を同時に行える. 今回,われわれは小腸出血に対して緊急腹部血管造影を行い,術前にマイクロカテーテルを用いてマイクロコイルにより塞栓術を施行し,止血を確認後に開腹手術を施行し,出血部位診断が容易であ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 5; pp. 1275 - 1280
Main Authors 酒向, 晃弘, 丸山, 常彦, 青木, 茂雄, 安西, 紘幸, 上田, 和光, 入江, 敏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.1275

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Summary:小腸出血は出血部位を内視鏡で確認することが困難であり,診断に難渋することが多い.消化管出血を確認する方法としては,消化管造影検査,内視鏡,造影CT,出血シンチグラフィ,選択的血管造影など多岐にわたる.大量下血を呈する症例では出血源の速やかな同定と止血処置が必要である.腹部血管造影は出血源が同定可能であれば,マイクロカテーテルを出血責任血管に挿入し,塞栓術を施行することで止血処置が可能であり,診断と治療を同時に行える. 今回,われわれは小腸出血に対して緊急腹部血管造影を行い,術前にマイクロカテーテルを用いてマイクロコイルにより塞栓術を施行し,止血を確認後に開腹手術を施行し,出血部位診断が容易であった2例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.1275