結節形成による腸閉塞を生じたMeckel憩室の1例

われわれは結節形成によるMeckel憩室腸閉塞を経験したので報告する.症例は58歳の男性.4日前からの腹痛で当院を受診し,腸閉塞の診断で入院となった.しかし翌日も腹部所見改善なく,診断的腹腔鏡手術を施行したところ,茎の長いMeckel憩室が結節を形成して回腸を絞扼していた.絞扼腸管の虚血が高度であったためMeckel憩室を含めた前後回腸を切除した.術後経過は良好であった.結節形成によるMeckel憩室腸閉塞はきわめてまれである.それゆえ,術前の診断は困難である場合もあるが,原因不明の腸閉塞の鑑別疾患として十分に考慮すべきである....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 5; pp. 1286 - 1289
Main Authors 吉川, 征一郞, 大内, 昌和, 福永, 正氣, 菅野, 雅彦, 平崎, 憲範, 東, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.1286

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Summary:われわれは結節形成によるMeckel憩室腸閉塞を経験したので報告する.症例は58歳の男性.4日前からの腹痛で当院を受診し,腸閉塞の診断で入院となった.しかし翌日も腹部所見改善なく,診断的腹腔鏡手術を施行したところ,茎の長いMeckel憩室が結節を形成して回腸を絞扼していた.絞扼腸管の虚血が高度であったためMeckel憩室を含めた前後回腸を切除した.術後経過は良好であった.結節形成によるMeckel憩室腸閉塞はきわめてまれである.それゆえ,術前の診断は困難である場合もあるが,原因不明の腸閉塞の鑑別疾患として十分に考慮すべきである.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.1286