HALSにて修復術を施行した成人Bochdalek孔ヘルニアの1例

症例は61歳の男性.腹痛と腹部膨満感を主訴に受診し,単純X線検査にて左下肺野に腸管ガス像を認めた.CTでは左横隔膜に一部不連続な部分があり,大腸・脾臓・左腎臓の胸腔内への脱出を認めた.以上より横隔膜ヘルニアと診断し,用手補助下腹腔鏡手術(hand assisted laparoscopic surgery;以下HALS)を行った.左横隔膜に約10cmのヘルニア門を認め,Bochdaleck孔ヘルニアと診断した.胸腔内に脱出していた臓器を腹腔内に還納し,メッシュを用いてヘルニア門を閉鎖した.術後3年6カ月経過するが,再発は認めていない.術前検査にて腹腔内臓器の大量脱出を認めたが,HALSにて良好...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 8; pp. 1870 - 1875
Main Authors 田中, 寿明, 的野, 吾, 門屋, 一貴, 日野, 東洋, 森, 直樹, 赤木, 由人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.1870

Cover

More Information
Summary:症例は61歳の男性.腹痛と腹部膨満感を主訴に受診し,単純X線検査にて左下肺野に腸管ガス像を認めた.CTでは左横隔膜に一部不連続な部分があり,大腸・脾臓・左腎臓の胸腔内への脱出を認めた.以上より横隔膜ヘルニアと診断し,用手補助下腹腔鏡手術(hand assisted laparoscopic surgery;以下HALS)を行った.左横隔膜に約10cmのヘルニア門を認め,Bochdaleck孔ヘルニアと診断した.胸腔内に脱出していた臓器を腹腔内に還納し,メッシュを用いてヘルニア門を閉鎖した.術後3年6カ月経過するが,再発は認めていない.術前検査にて腹腔内臓器の大量脱出を認めたが,HALSにて良好な視野で,安全かつ低侵襲に手術を施行した症例を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.1870