回腸カルチノイドの4例
本邦では非常に稀である回腸カルチノイドを,過去10年間で4例経験したため報告する. 平均年齢55歳(52-57歳),男:2例・女:2例,主訴は便潜血陽性2例・腹痛2例であった.内視鏡所見として,回腸末端に黄色調の粘膜下腫瘍を認め,全例に生検を施行し,術前にカルチノイドの確定診断に至った.CT検査では,2例に所属リンパ節腫大が指摘されたが,遠隔転移は認めず,根治切除が可能と判断し,全例に腹腔鏡下回盲部切除術(D3郭清)を施行した.病理診断は,平均腫瘍径20mm(12-30mm),深達度は固有筋層,全例に近傍の所属リンパ節転移を認め,pT2N1M0,pStage IIIBであった.補助療法は施行せ...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 7; pp. 1686 - 1690 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.77.1686 |
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Summary: | 本邦では非常に稀である回腸カルチノイドを,過去10年間で4例経験したため報告する. 平均年齢55歳(52-57歳),男:2例・女:2例,主訴は便潜血陽性2例・腹痛2例であった.内視鏡所見として,回腸末端に黄色調の粘膜下腫瘍を認め,全例に生検を施行し,術前にカルチノイドの確定診断に至った.CT検査では,2例に所属リンパ節腫大が指摘されたが,遠隔転移は認めず,根治切除が可能と判断し,全例に腹腔鏡下回盲部切除術(D3郭清)を施行した.病理診断は,平均腫瘍径20mm(12-30mm),深達度は固有筋層,全例に近傍の所属リンパ節転移を認め,pT2N1M0,pStage IIIBであった.補助療法は施行せず,4例とも無再発生存中である. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.77.1686 |