イレウス管を契機に発症した小腸壊死を伴った腸重積症の1例
症例は62歳男性,脳性麻痺のため元々意思疎通が困難であったが,麻痺性イレウスの状態で当院を救急受診し,イレウス管にて保存的加療した。入院後に症状改善し,第4病日イレウス管造影で小腸ガスは消失し,イレウス管の先端は上行結腸まで進行していた。第5病日イレウス管の排液が血性となり,DICを呈したため,造影CTを施行したところ小腸壁の異常肥厚と腸管壁内ガス像を認め,腸管壊死を伴う腸重積と診断して緊急手術を施行した。空腸に約50cmの腸重積を認め整復した後,Treitz靱帯から連続性に壊死した空腸140cmを切除して,術後に集中治療を行ったが,DICが進行して第31病日に死亡した。切除腸管には腸重積の先...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 8; pp. 1295 - 1299 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2013
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Summary: | 症例は62歳男性,脳性麻痺のため元々意思疎通が困難であったが,麻痺性イレウスの状態で当院を救急受診し,イレウス管にて保存的加療した。入院後に症状改善し,第4病日イレウス管造影で小腸ガスは消失し,イレウス管の先端は上行結腸まで進行していた。第5病日イレウス管の排液が血性となり,DICを呈したため,造影CTを施行したところ小腸壁の異常肥厚と腸管壁内ガス像を認め,腸管壊死を伴う腸重積と診断して緊急手術を施行した。空腸に約50cmの腸重積を認め整復した後,Treitz靱帯から連続性に壊死した空腸140cmを切除して,術後に集中治療を行ったが,DICが進行して第31病日に死亡した。切除腸管には腸重積の先進部となるような腫瘍性病変はなく,イレウス管が原因で発症し,急速に進行したまれな腸重積症と診断した。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.33.1295 |