肺原発多形癌手術例の検討
背景:肺原発多形癌は1999年のWHO分類ではじめて独立した組織型として提唱された.多彩な病理像を呈し,予後は不良である.肺原発多形癌手術例の臨床像と予後を検討した.対象:2010年11月から2014年10月の間に手術を施行し,肺原発多形癌と病理診断された12例.結果:男性10例,女性2例で平均年齢は62.8歳であった.12例中11例で喫煙歴を認めた.10例が右上葉原発であった.術前のCTで腫瘍径を経時的に測定し得た7例での腫瘍倍加時間の中央値は81日であった.術式は肺全摘術が2例,肺葉切除術が10例であった.リンパ節郭清はND1a郭清が1例,ND2a-1郭清が5例,ND2a-2郭清が6例であ...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 1; pp. 8 - 13 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.30.8 |
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Summary: | 背景:肺原発多形癌は1999年のWHO分類ではじめて独立した組織型として提唱された.多彩な病理像を呈し,予後は不良である.肺原発多形癌手術例の臨床像と予後を検討した.対象:2010年11月から2014年10月の間に手術を施行し,肺原発多形癌と病理診断された12例.結果:男性10例,女性2例で平均年齢は62.8歳であった.12例中11例で喫煙歴を認めた.10例が右上葉原発であった.術前のCTで腫瘍径を経時的に測定し得た7例での腫瘍倍加時間の中央値は81日であった.術式は肺全摘術が2例,肺葉切除術が10例であった.リンパ節郭清はND1a郭清が1例,ND2a-1郭清が5例,ND2a-2郭清が6例であった.周囲浸潤組織の合併切除を6例で要し,遠隔転移巣の切除を1例で併施した.術後補助化学療法を施行した4例を含む6例が現在も無再発生存中であるが,5例は原病死した.3年生存率は43.0%であった. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.30.8 |