冠動静脈瘻を伴う巨大右冠動脈瘤に対して自己心膜パッチ閉鎖術を施行した1例

症例は53歳,女性.検診で心拡大を指摘されCTを施行したところ左房下方に10 cmの冠動脈瘤と冠動静脈瘻を認めた.手術は心停止下で,瘤切除,瘤内への右冠動脈流入血管を結紮した.瘤内から右房への流出血管を認めたが,冠静脈洞は瘢痕化しており,結紮や単純閉鎖した場合に冠静脈の還流不全を来す恐れがあると判断した.流出血管は自己心膜パッチにて閉鎖し,冠静脈への血流を確保した.本症例のように右房へ還流するようパッチ閉鎖を行う再建術式は今までに報告例がなく,良好な結果を得たので報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 49; no. 3; pp. 114 - 118
Main Authors 清水, 篤, 清水, 真行, 西川, 幸作, 高梨, 秀一郎, 内室, 智也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.05.2020
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.49.114

Cover

More Information
Summary:症例は53歳,女性.検診で心拡大を指摘されCTを施行したところ左房下方に10 cmの冠動脈瘤と冠動静脈瘻を認めた.手術は心停止下で,瘤切除,瘤内への右冠動脈流入血管を結紮した.瘤内から右房への流出血管を認めたが,冠静脈洞は瘢痕化しており,結紮や単純閉鎖した場合に冠静脈の還流不全を来す恐れがあると判断した.流出血管は自己心膜パッチにて閉鎖し,冠静脈への血流を確保した.本症例のように右房へ還流するようパッチ閉鎖を行う再建術式は今までに報告例がなく,良好な結果を得たので報告する.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.49.114