癌関連網膜症を発症し早期に診断に至った上顎洞小細胞癌例

はじめに癌患者の一部には,原発巣や転移巣による直接浸潤や圧排に伴う症状だけでなく,さまざまな症状を呈することがあり,腫瘍随伴症候群と呼ばれる。そのうち,癌細胞表面に異所性に発現した網膜視細胞特異的タンパク質に対して産生される自己抗体が共通抗原となった網膜に対して障害を起こし視機能障害をきたすものを癌関連網膜症(cancer-associated retinopathy: CAR)と呼ぶ1~3)。CARはまれであり,進行が早く高度の視機能障害に陥るが有効な治療は確立されていない。今回筆者らは,癌関連網膜症を契機に早期発見に至った上顎洞小細胞癌の症例を経験したので報告する。...

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Published in日本鼻科学会会誌 Vol. 59; no. 4; pp. 346 - 352
Main Authors 代永, 孝明, 初鹿, 恭介, 松岡, 伴和, 島村, 歩美, 櫻井, 大樹, 増山, 敬祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本鼻科学会 2020
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ISSN0910-9153
1883-7077
DOI10.7248/jjrhi.59.346

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Summary:はじめに癌患者の一部には,原発巣や転移巣による直接浸潤や圧排に伴う症状だけでなく,さまざまな症状を呈することがあり,腫瘍随伴症候群と呼ばれる。そのうち,癌細胞表面に異所性に発現した網膜視細胞特異的タンパク質に対して産生される自己抗体が共通抗原となった網膜に対して障害を起こし視機能障害をきたすものを癌関連網膜症(cancer-associated retinopathy: CAR)と呼ぶ1~3)。CARはまれであり,進行が早く高度の視機能障害に陥るが有効な治療は確立されていない。今回筆者らは,癌関連網膜症を契機に早期発見に至った上顎洞小細胞癌の症例を経験したので報告する。
ISSN:0910-9153
1883-7077
DOI:10.7248/jjrhi.59.346