造影超音波にて特徴的な腫瘍内貫通血管を認めた肝Mucosa associated lymphoid tissueリンパ腫の一例

72歳,男性.肝機能異常を指摘され,腹部CTで肝に腫瘍性病変を認めた.腹部超音波検査では肝S6に47×36 mm大の境界不明瞭,内部均一,低エコー腫瘤を認めた.造影CT検査では肝S6に47×36 mm大の病変は共に単純CTで低吸収,造影早期相で濃染,後期相で低吸収となった.造影超音波検査では動脈優位相では全体が均一に濃染された.門脈優位相ではiso echoicとなり周囲の肝組織との判別は不能であった.post-vascular phase(Kupffer phase)では淡いdefectを呈した.re-injectionすると全体が均一に濃染され,Micro Flow Imagingでは内部...

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Published in肝臓 Vol. 58; no. 5; pp. 280 - 288
Main Authors 稲垣, 有希, 盛生, 慶, 本田, 芙美, 柘植, 雅貴, 長沖, 祐子, 河岡, 友和, 今村, 道雄, 鳩岡, 正浩, 小林, 知樹, 有廣, 光司, 相方, 浩, 平松, 憲, 茶山, 一彰, 盛生, 玲央奈, 川上, 由育
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2017
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.58.280

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Summary:72歳,男性.肝機能異常を指摘され,腹部CTで肝に腫瘍性病変を認めた.腹部超音波検査では肝S6に47×36 mm大の境界不明瞭,内部均一,低エコー腫瘤を認めた.造影CT検査では肝S6に47×36 mm大の病変は共に単純CTで低吸収,造影早期相で濃染,後期相で低吸収となった.造影超音波検査では動脈優位相では全体が均一に濃染された.門脈優位相ではiso echoicとなり周囲の肝組織との判別は不能であった.post-vascular phase(Kupffer phase)では淡いdefectを呈した.re-injectionすると全体が均一に濃染され,Micro Flow Imagingでは内部に脈管が貫通する像を認めた.病理組織検査では肝Mucosa associated lymphoid tissueリンパ腫と診断された.化学療法にて完全著効となり24カ月生存中である.肝Mucosa associated lymphoid tissueリンパ腫は非常に稀な疾患であり,特徴的な造影超音波像を呈したので報告する.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.58.280