治療に難渋した腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術後メッシュ感染の1例

症例は66歳,男性.右鼠径部腫脹を主訴に当科を受診した.診察上は両側鼠径部に腫脹を認め両側鼠径ヘルニアと診断されたが,患者の強い希望があり右側のみ腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を行った.その1カ月後に左側の手術を希望され,前方アプローチで手術を行った.さらに1カ月経過した頃,右下腹部から鼠径部にかけての腫脹,疼痛を主訴に来院した.精査にて右鼠径ヘルニア術後のメッシュ感染と診断された.経皮的ドレナージを行ったものの治癒には至らず,腹腔鏡を併用し前方アプローチにてメッシュ除去術を行った.腹腔鏡下鼠径ヘルニアにおけるメッシュ感染の報告はまれであり,治療に難渋した1症例を経験したので報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 9; pp. 2323 - 2328
Main Authors 竹下, 雅樹, 堀川, 直樹, 所, 智和, 薮下, 和久, 寺川, 裕史, 小林, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.2323

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Summary:症例は66歳,男性.右鼠径部腫脹を主訴に当科を受診した.診察上は両側鼠径部に腫脹を認め両側鼠径ヘルニアと診断されたが,患者の強い希望があり右側のみ腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を行った.その1カ月後に左側の手術を希望され,前方アプローチで手術を行った.さらに1カ月経過した頃,右下腹部から鼠径部にかけての腫脹,疼痛を主訴に来院した.精査にて右鼠径ヘルニア術後のメッシュ感染と診断された.経皮的ドレナージを行ったものの治癒には至らず,腹腔鏡を併用し前方アプローチにてメッシュ除去術を行った.腹腔鏡下鼠径ヘルニアにおけるメッシュ感染の報告はまれであり,治療に難渋した1症例を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.2323