腸閉塞をきたした回腸子宮内膜症の1例

症例は35歳の女性. 平成17年8月13日より腹痛を自覚するようになり, さらに8月17日より嘔吐も出現するため, 当院を受診した. 腸閉塞と診断され緊急入院となった. イレウスと診断し, 入院後イレウス管を挿入した. イレウス管造影検査で回腸末端の狭窄像と腹部CT検査で回盲部の腫瘤像を認めたため, 回腸子宮内膜症による腸閉塞と診断し開腹手術を施行した. 開腹所見では黄色透明の腹水を少量認め, ダグラス窩左側は子宮, チョコレート嚢胞およびS状結腸が癒着するfrozen pelvisの状態であった. 回腸末端が盲腸に強固に癒着しており, 剥離不可能であったため回盲部切除術を施行した. 回腸子宮...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 99 - 102
Main Authors 江口, 正信, 北畠, 俊顕, 根上, 直樹, 藤澤, 稔, 石引, 佳郎, 浦尾, 正彦, 児島, 邦明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.99

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Summary:症例は35歳の女性. 平成17年8月13日より腹痛を自覚するようになり, さらに8月17日より嘔吐も出現するため, 当院を受診した. 腸閉塞と診断され緊急入院となった. イレウスと診断し, 入院後イレウス管を挿入した. イレウス管造影検査で回腸末端の狭窄像と腹部CT検査で回盲部の腫瘤像を認めたため, 回腸子宮内膜症による腸閉塞と診断し開腹手術を施行した. 開腹所見では黄色透明の腹水を少量認め, ダグラス窩左側は子宮, チョコレート嚢胞およびS状結腸が癒着するfrozen pelvisの状態であった. 回腸末端が盲腸に強固に癒着しており, 剥離不可能であったため回盲部切除術を施行した. 回腸子宮内膜症は術前に診断を確定することは非常に困難とされているが, 今回, イレウス管造影検査と腹部CT検査で術前の診断が可能であったので報告した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.99