Composix Mesh®を用いたヘルニア手術後8年目に小腸皮膚瘻を形成した1例

症例は87歳女性で腹壁瘢痕ヘルニアのためComposix Mesh®(以下CM)を用いて腹腔鏡下修復術を行い,再発徴候なく経過していた.術後8年目に創部からの滲出・悪臭を主訴に外来受診された.下腹部正中瘻孔より腸液の滲出を認め,CTではCMが腸管と癒着し,瘻孔造影で腸管との交通を確認した.術中診断では,CMは折れ返り周囲肉芽と一塊となっており,腸管が広範囲に癒着し1箇所で穿通し瘻孔を形成していた.メッシュおよび瘻孔を切除し,穿通部腸管を縫合閉鎖した.腹壁閉鎖の際はComponents Separation法を用いた.今後もCMあるいはComposix Kugel Patch®使用後の症例におい...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 8; pp. 2178 - 2182
Main Authors 奥村, 拓也, 甲賀, 淳史, 鈴木, 憲次, 川辺, 昭浩, 山下, 公裕, 礒垣, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.2178

Cover

More Information
Summary:症例は87歳女性で腹壁瘢痕ヘルニアのためComposix Mesh®(以下CM)を用いて腹腔鏡下修復術を行い,再発徴候なく経過していた.術後8年目に創部からの滲出・悪臭を主訴に外来受診された.下腹部正中瘻孔より腸液の滲出を認め,CTではCMが腸管と癒着し,瘻孔造影で腸管との交通を確認した.術中診断では,CMは折れ返り周囲肉芽と一塊となっており,腸管が広範囲に癒着し1箇所で穿通し瘻孔を形成していた.メッシュおよび瘻孔を切除し,穿通部腸管を縫合閉鎖した.腹壁閉鎖の際はComponents Separation法を用いた.今後もCMあるいはComposix Kugel Patch®使用後の症例において,本例と同様の病態を起こす可能性があり,腹腔内にメッシュを留置する場合には固定法に十分な注意と工夫が必要と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.2178