Hybrid法による修復術を施行した再発鼠径ヘルニア子宮嵌頓の1例

症例は80歳,女性.主訴は左鼠径部膨隆.既往に4回の左鼠径ヘルニア手術があるが,過去3回の詳細は不明.最終手術は8年前に当科でKugel法を施行した.2016年2月中旬,左鼠径部膨隆を自覚し3日後に近医を受診.左鼠径ヘルニア嵌頓と診断されたが整復できず,当科に紹介された.造影CTで,子宮を内容とする鼠径ヘルニア嵌頓が疑われたため,緊急手術とした.診断的腹腔鏡で恥骨上からの子宮脱出を確認し,腹腔鏡下に子宮を牽引するも整復できず,腹腔鏡補助下の鼠径部切開法 (hybrid法)へ移行した.嵌頓整復し,腹腔鏡下に子宮に壊死がないことを確認し,前方からのmesh plugにて鼠径ヘルニアを修復した.術後...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 9; pp. 2150 - 2154
Main Authors 北, 健吾, 石井, 大介, 栗山, 直也, 稲葉, 聡, 後藤, 順一, 矢吹, 英彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.2150

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Summary:症例は80歳,女性.主訴は左鼠径部膨隆.既往に4回の左鼠径ヘルニア手術があるが,過去3回の詳細は不明.最終手術は8年前に当科でKugel法を施行した.2016年2月中旬,左鼠径部膨隆を自覚し3日後に近医を受診.左鼠径ヘルニア嵌頓と診断されたが整復できず,当科に紹介された.造影CTで,子宮を内容とする鼠径ヘルニア嵌頓が疑われたため,緊急手術とした.診断的腹腔鏡で恥骨上からの子宮脱出を確認し,腹腔鏡下に子宮を牽引するも整復できず,腹腔鏡補助下の鼠径部切開法 (hybrid法)へ移行した.嵌頓整復し,腹腔鏡下に子宮に壊死がないことを確認し,前方からのmesh plugにて鼠径ヘルニアを修復した.術後は合併症なく,術後15日で退院となった.鼠径部ヘルニア子宮嵌頓症例に対し,hybrid法により安全に手術を施行しえた症例を経験した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.2150