12誘導心電図波形を用いた特発性心室不整脈起源の診断
特発性心室不整脈の多くは流出路領域〔右室流出路,肺動脈,右室流出路低位のHis束近傍,左室流出路(心内膜側),大動脈冠尖(左冠尖,右冠尖),および左室心外膜側領域〕にその起源を有するが,僧帽弁輪,三尖弁輪,左室後下壁(左脚後枝領域),および左室前側壁(左脚前枝領域)などに起源を有する特発性心室不整脈も報告されている.特発性心室不整脈時のQRS波形はその起源からの心室内の興奮伝播をほぼ正確に反映し,頻拍の起源に特徴的な心電図所見を呈すると考えられる.高周波カテーテルアブレーションを施行した特発性心室不整脈症例を対象にアブレーション成功部位(左室心外膜側起源不整脈の場合は最早期興奮記録部位)を頻拍...
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Published in | 心電図 Vol. 30; no. 5; pp. 453 - 465 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2010
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.30.453 |
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Summary: | 特発性心室不整脈の多くは流出路領域〔右室流出路,肺動脈,右室流出路低位のHis束近傍,左室流出路(心内膜側),大動脈冠尖(左冠尖,右冠尖),および左室心外膜側領域〕にその起源を有するが,僧帽弁輪,三尖弁輪,左室後下壁(左脚後枝領域),および左室前側壁(左脚前枝領域)などに起源を有する特発性心室不整脈も報告されている.特発性心室不整脈時のQRS波形はその起源からの心室内の興奮伝播をほぼ正確に反映し,頻拍の起源に特徴的な心電図所見を呈すると考えられる.高周波カテーテルアブレーションを施行した特発性心室不整脈症例を対象にアブレーション成功部位(左室心外膜側起源不整脈の場合は最早期興奮記録部位)を頻拍の起源と定義して,頻拍の起源ごとに症例を分類して,頻拍時の12誘導心電図の解析を施行した.その結果,頻拍時のQRS波形の解析によって詳細,かつ正確な頻拍起源の診断が可能であることがわかった.本稿では流出路領域,僧帽弁輪,および三尖弁輪起源特発性心室不整脈の12誘導心電図所見の特徴について述べる. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.30.453 |