釉薬ベース希土類酸化物膜の焼成プロセスおよび散乱抑制に関する研究

本研究では,アルミナ基板上の釉薬ベースEr酸化物膜において,石灰釉の熔融やCaEr4(SiO4)3Oの生成に関するプロセスを明らかにした.そして,TPV発電用波長選択エミッターとして適切な焼成条件ならびに散乱を抑制する手法について検討した.その結果,(1)CaEr4(SiO4)3OはEr2O3粒子と熔融石灰釉間の固相反応によって生成される,(2)Er2O3と石灰釉の重量比は約2:3で焼成温度は1250℃以上が望ましい,(3)緻密なEr2O3粒子を用いた微細化の防止やEr3+イオンを用いたEr酸化物のナノ粒子化といった粒径の制御が散乱抑制に有効である,ことが明らかとなった....

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Published in熱物性 Vol. 36; no. 1; pp. 21 - 30
Main Authors 熊野, 智之, 花村, 克悟, 泉, 宏和, 三宅, 修吾, 河野, 貴裕, 中村, 嘉恵, 山田, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2022
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Summary:本研究では,アルミナ基板上の釉薬ベースEr酸化物膜において,石灰釉の熔融やCaEr4(SiO4)3Oの生成に関するプロセスを明らかにした.そして,TPV発電用波長選択エミッターとして適切な焼成条件ならびに散乱を抑制する手法について検討した.その結果,(1)CaEr4(SiO4)3OはEr2O3粒子と熔融石灰釉間の固相反応によって生成される,(2)Er2O3と石灰釉の重量比は約2:3で焼成温度は1250℃以上が望ましい,(3)緻密なEr2O3粒子を用いた微細化の防止やEr3+イオンを用いたEr酸化物のナノ粒子化といった粒径の制御が散乱抑制に有効である,ことが明らかとなった.
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.36.21