熱物性顕微鏡を用いたPbTe-Sb2Te3系化合物の熱浸透率分布測定

近年,熱電変換材料の構造,組成および特性等を迅速に評価するため,ハイスループットな手法を用いた熱電変換材料の研究開発が行われている.本研究では,熱電変換材料の候補であるPbTe-Sb2Te3化合物の中から低い熱浸透率を示す組成・組織を評価し,より有力な候補材となる組成を熱物性顕微鏡(Thermal Microscope: TM)を用いて検証することを目的とした.その結果,Pb2Sb6Te11の熱浸透率がPbTe-Sb2Te3化合物の中で最も低くなっており,熱伝導の立場からPb2Sb6Te11が熱電変換材料の有力な候補材となることが明らかとなった.これにより,ハイスループットな手法を用いた材料開...

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Published in熱物性 Vol. 35; no. 2; pp. 49 - 53
Main Authors 伊藤, 俊亮, 黒江, 怜史, 池田, 輝之, 西, 剛史, 羽鳥, 仁人, 太田, 弘道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2021
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Summary:近年,熱電変換材料の構造,組成および特性等を迅速に評価するため,ハイスループットな手法を用いた熱電変換材料の研究開発が行われている.本研究では,熱電変換材料の候補であるPbTe-Sb2Te3化合物の中から低い熱浸透率を示す組成・組織を評価し,より有力な候補材となる組成を熱物性顕微鏡(Thermal Microscope: TM)を用いて検証することを目的とした.その結果,Pb2Sb6Te11の熱浸透率がPbTe-Sb2Te3化合物の中で最も低くなっており,熱伝導の立場からPb2Sb6Te11が熱電変換材料の有力な候補材となることが明らかとなった.これにより,ハイスループットな手法を用いた材料開発における材料組織の熱物性値評価手法の一つとして,熱物性顕微鏡が有効であることを確認した.
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.35.49