海外旅行者下痢症例から分離されたVibrio choleraeの新しい血清型O139について
1992年10月よりインド及びバングラデシュで流行しているK.choleraeの新しい血清型O139が, インドから帰国した下痢症患者の便より分離された.患者は1993年4月インドに出張し, 帰国後5, 6回の水様性下痢があった.患者の糞便より分離されたK111株は, V.cholemeの既知の抗血清 (01~0138) には反応しなかったが, 新しい血清型であるV.choleme O139の抗血清に強く凝集した.K111株の生化学的性状は通常のV.choleraeと同じ性状を示したが, Vibrio static agent O/129に々ま耐性で, さらにCT (コレラトキシン) 及びzo...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 8 - 12 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.01.1994
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.8 |
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Summary: | 1992年10月よりインド及びバングラデシュで流行しているK.choleraeの新しい血清型O139が, インドから帰国した下痢症患者の便より分離された.患者は1993年4月インドに出張し, 帰国後5, 6回の水様性下痢があった.患者の糞便より分離されたK111株は, V.cholemeの既知の抗血清 (01~0138) には反応しなかったが, 新しい血清型であるV.choleme O139の抗血清に強く凝集した.K111株の生化学的性状は通常のV.choleraeと同じ性状を示したが, Vibrio static agent O/129に々ま耐性で, さらにCT (コレラトキシン) 及びzonula occludens toxin (ZOT) 遺伝子を保有し, CT産生量も55ng/mlであった.本報告はV.cholerae O139が下痢症から分離された本邦初事例と考えられる. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.8 |