平底角型培養瓶を用いたin vitro培養下でのマツノザイセンチュウ分散型3期幼虫の生起

平底角型培養瓶でグリセロールを3%添加した5 倍希釈パールコアPDA 培地を用いてマツノザイセンチュウと灰色かび病菌を二者培養した場合、培養30 日後に分散型3 期幼虫の頭数と全線虫頭数に対するその割合が平均31,688 頭および20.8%になった。グリセロールを添加した培地では全線虫頭数および分散型3 期幼虫頭数のピークは顕著に高く、培養後期に生じた。また、分散型3 期幼虫を含む培養線虫とマツノマダラカミキリ蛹および成虫との共存培養で、羽化8 日後の成虫から1 頭当り平均17,446 頭の分散型4期幼虫が回収された。この培地は、線虫増殖および分散型3 期幼虫出現に効果的である。さらに、マツノ...

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Published in日本線虫学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 9 - 14
Main Authors 中里 岳, 林 賢太郎, 小倉信夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本線虫学会 2012
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ISSN0919-6765
1882-3408
DOI10.3725/jjn.42.9

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Summary:平底角型培養瓶でグリセロールを3%添加した5 倍希釈パールコアPDA 培地を用いてマツノザイセンチュウと灰色かび病菌を二者培養した場合、培養30 日後に分散型3 期幼虫の頭数と全線虫頭数に対するその割合が平均31,688 頭および20.8%になった。グリセロールを添加した培地では全線虫頭数および分散型3 期幼虫頭数のピークは顕著に高く、培養後期に生じた。また、分散型3 期幼虫を含む培養線虫とマツノマダラカミキリ蛹および成虫との共存培養で、羽化8 日後の成虫から1 頭当り平均17,446 頭の分散型4期幼虫が回収された。この培地は、線虫増殖および分散型3 期幼虫出現に効果的である。さらに、マツノマダラカミキリによる分散型4 期幼虫形成誘導の機構解明にも有効であると思われる。
ISSN:0919-6765
1882-3408
DOI:10.3725/jjn.42.9