着衣模擬人体による衣服内気候の空気流動と熱移動特性

近年,地球温暖化等による気温の上昇等に伴う人体の温熱環境の変化は,日々の生活時における人体の温熱的快適性に大きな影響を与えている.人の温熱的快適性を決定する要素の一つである着衣は,着衣時に衣服と人体の間に形成された衣服内気候の温湿度や気流を変化させることで,人体の温熱環境を直接的に制御することが可能である.しかしながら,着衣の構造と衣服内気候における温度場,気流の状態等に関する実験的検討はあまり行われていない.このため本研究では,着衣時に形成される衣服内気候の温度場の状態や,気流の形成メカニズムの解明を目的とし,アクリルフィルムと円筒ヒーターを用いた着衣模擬人体を用いて,着衣時の衣服内気候の開...

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Published in熱物性 Vol. 36; no. 1; pp. 13 - 20
Main Authors 春木, 直人, 三宅, 哲也, 島﨑, 康弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2022
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Summary:近年,地球温暖化等による気温の上昇等に伴う人体の温熱環境の変化は,日々の生活時における人体の温熱的快適性に大きな影響を与えている.人の温熱的快適性を決定する要素の一つである着衣は,着衣時に衣服と人体の間に形成された衣服内気候の温湿度や気流を変化させることで,人体の温熱環境を直接的に制御することが可能である.しかしながら,着衣の構造と衣服内気候における温度場,気流の状態等に関する実験的検討はあまり行われていない.このため本研究では,着衣時に形成される衣服内気候の温度場の状態や,気流の形成メカニズムの解明を目的とし,アクリルフィルムと円筒ヒーターを用いた着衣模擬人体を用いて,着衣時の衣服内気候の開口部形状や空隙間隔の変化が,人体の体温に起因した自然対流による気流,衣服内気候の温度場と人体との間の熱伝達特性に及ぼす影響について実験的に検討した.
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.36.13