咽喉頭異常感症症例における嚥下造影検査の検討
咽喉頭異常感における嚥下障害の関与を検討することを目的として、咽喉頭異常感を愁訴に愛媛大学および高知大学医学部附属病院耳鼻咽喉科を受診した 244 例を対象に嚥下造影検査所見を検討した。誤嚥を5.1%に認め、男性に有意に多かった。また、男性の 52.3%、女性の 19.5%で咽頭クリアランスが低下しており、やはり男性が有意に多かった。頸部食道 web、輪状咽頭筋圧痕像、下咽頭ポーチ、頸部食道憩室、頸椎骨棘増殖はそれぞれ 13.1%、5.7%、5.7%、3.3%、17.2%に認められ、器質的疾患も少なくなかった。これらの結果より、機能的・器質的異常に基づく嚥下機能障害が、特に高齢者においては咽喉...
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Published in | jibi to rinsho Vol. 56; no. Suppl.2; pp. S215 - S222 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
2010
JIBI TO RINSHO KAI |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi.56.S215 |
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Summary: | 咽喉頭異常感における嚥下障害の関与を検討することを目的として、咽喉頭異常感を愁訴に愛媛大学および高知大学医学部附属病院耳鼻咽喉科を受診した 244 例を対象に嚥下造影検査所見を検討した。誤嚥を5.1%に認め、男性に有意に多かった。また、男性の 52.3%、女性の 19.5%で咽頭クリアランスが低下しており、やはり男性が有意に多かった。頸部食道 web、輪状咽頭筋圧痕像、下咽頭ポーチ、頸部食道憩室、頸椎骨棘増殖はそれぞれ 13.1%、5.7%、5.7%、3.3%、17.2%に認められ、器質的疾患も少なくなかった。これらの結果より、機能的・器質的異常に基づく嚥下機能障害が、特に高齢者においては咽喉頭異常感の発症に関与していることが推測された。 |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi.56.S215 |