血液事業検討委員会中間報告

我が国の血液事業は, 昭和39年8月の閣議決定, すなわち, 輸血に必要な血液は全て献血により確保する, を基本にして順調に発展してきた. 昭和59年における全国の献血者は延べ約831万人, 人口比7.0%に達し, 国民一人一人の善意にその基礎をおく献血運動は, 広く国民生活に浸透してきているといえる. その結果, 現在, 医療上必要とされる全血製剤及び血液成分製剤については, その全てを献血によって確保できる状況にある. しかし, 国を挙げて全血製剤, 血液成分製剤の確保に務めている間に, 医学及び医療技術の発展と, 人生80年型社会と言われる長寿社会の実現とによって, 医療の場における血液...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 31; no. 5; pp. 519 - 522
Main Authors 葛西, 森夫, 河原, 輔之, 行天, 良雄, 島田, 信勝, 清水, 勝, 竹内, 實孝, 田中, 明, 土屋, 正康, 遠山, 博, 西木, まさ子, 藤田, 真一, 丸山, 正義, 村上, 省三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1985
日本輸血学会
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Summary:我が国の血液事業は, 昭和39年8月の閣議決定, すなわち, 輸血に必要な血液は全て献血により確保する, を基本にして順調に発展してきた. 昭和59年における全国の献血者は延べ約831万人, 人口比7.0%に達し, 国民一人一人の善意にその基礎をおく献血運動は, 広く国民生活に浸透してきているといえる. その結果, 現在, 医療上必要とされる全血製剤及び血液成分製剤については, その全てを献血によって確保できる状況にある. しかし, 国を挙げて全血製剤, 血液成分製剤の確保に務めている間に, 医学及び医療技術の発展と, 人生80年型社会と言われる長寿社会の実現とによって, 医療の場における血液製剤の使用方法は大きく変化するところとなり, 血漿部分をさらに分画精製して, 必要な部分のみを輸注するための血漿分画製剤の需要が高まってきた. 血漿分画製剤は, 医療上の長所が多いところから, 昭和50年代に入って使用量が著しく増大した.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.31.519