退院時サマリーCDA文書のFHIRへの移植の評価

特定情報モデルに準拠して記述された医療情報を他の情報モデルに移植すると通常情報の損失,変容が生じることが指摘されている.Fast Healthcare Interoperability Resources(FHIR)はモジュール化された構成要素であるResourceを組み合わせて医療情報を表現しており,Clinical Document Architecture(CDA)文書と異なる設計手法を採っている.FHIR開発者の主張はHL7 2.xやCDAの後継規格たるべく,これらの規格の特性を継承しつつデータ相互変換が可能であり,さらに現代的な情報処理技術の恩恵を受けられるとしている.退院時サマリー...

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Published in医療情報学 Vol. 39; no. 3; pp. 143 - 153
Main Authors 木村, 映善, 上中, 進太郎, 古薗, 知子, 中山, 雅晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 25.12.2019
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Summary:特定情報モデルに準拠して記述された医療情報を他の情報モデルに移植すると通常情報の損失,変容が生じることが指摘されている.Fast Healthcare Interoperability Resources(FHIR)はモジュール化された構成要素であるResourceを組み合わせて医療情報を表現しており,Clinical Document Architecture(CDA)文書と異なる設計手法を採っている.FHIR開発者の主張はHL7 2.xやCDAの後継規格たるべく,これらの規格の特性を継承しつつデータ相互変換が可能であり,さらに現代的な情報処理技術の恩恵を受けられるとしている.退院時サマリーCDAのFHIRへの移植を通して,この主張を検証した.本検証の限りにおいてFHIRで構成した文書へCDA文書の情報をほぼ損失なく移植可能であることを確認した.また,Profile準拠を意識することで,電子カルテの内部情報の構造化を促し,相互情報共有にむけて牽引役となることが期待される.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.39.143