小児尿路感染症に関する臨床的・細菌学的検討
小児尿路感染症120例の臨床背景, ならびに起炎菌として頻度の高い大腸菌の抗菌薬感受性を中心に検討を行った.大腸菌は98例 (81.7%) より分離されており, 単純性尿路感染症50例の全起炎菌を占めた.大腸菌性尿路感染症98例のうち, 71例が第2世代セフェムで治療されていたが, その治療効果は第3, 4世代セフェムと同等であった.セフェム系抗菌薬の大腸菌に対するMIC50, MIC90 (μg/mL) は, cefazolin 2, 4, cefmetazole≦0.5, 2, ceftazidime≦0.25, ≦0.25と第2世代セフェムの感受性も保たれており, またいずれも経年的な感...
Saved in:
Published in | 感染症学雑誌 Vol. 81; no. 1; pp. 6 - 11 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.01.2007
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.6 |
Cover
Summary: | 小児尿路感染症120例の臨床背景, ならびに起炎菌として頻度の高い大腸菌の抗菌薬感受性を中心に検討を行った.大腸菌は98例 (81.7%) より分離されており, 単純性尿路感染症50例の全起炎菌を占めた.大腸菌性尿路感染症98例のうち, 71例が第2世代セフェムで治療されていたが, その治療効果は第3, 4世代セフェムと同等であった.セフェム系抗菌薬の大腸菌に対するMIC50, MIC90 (μg/mL) は, cefazolin 2, 4, cefmetazole≦0.5, 2, ceftazidime≦0.25, ≦0.25と第2世代セフェムの感受性も保たれており, またいずれも経年的な感受性の低下は認められなかった.なお, ceftazidimeを含む第3世代セフェムに対するMICが2μg/mL以上に上昇した株を6株認めており, 今後の薬剤耐性化の動向には注意が必要と思われた. |
---|---|
ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.6 |