Real-time PCRを用いたHIV-1 RNA測定キットの基礎的検討
第2世代のHIV-1 RNA定量法として新しく開発された, コバスTaqMan HIV-1「マニュアル」の性能評価のため, 希釈直線性, 検出限界再現性および干渉物質の影響を検討した.また, 6種類のサブタイプの分離株を用いてアンプリコア法と測定値を比較した.希釈直線性の検討の結果, 測定値の得られた1.67×102~1.73×106copies/mLの範囲において良好な直線性が得られた (r2=0.991).また, 検出限界の検討の結果, 検出限界は40 copies/mLであり, 本キットはアンプリコア法よりも高感度で広い測定範囲をもつことが確認された. 再現性は, 実験内変動係数が27....
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 81; no. 1; pp. 1 - 5 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.01.2007
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.1 |
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Summary: | 第2世代のHIV-1 RNA定量法として新しく開発された, コバスTaqMan HIV-1「マニュアル」の性能評価のため, 希釈直線性, 検出限界再現性および干渉物質の影響を検討した.また, 6種類のサブタイプの分離株を用いてアンプリコア法と測定値を比較した.希釈直線性の検討の結果, 測定値の得られた1.67×102~1.73×106copies/mLの範囲において良好な直線性が得られた (r2=0.991).また, 検出限界の検討の結果, 検出限界は40 copies/mLであり, 本キットはアンプリコア法よりも高感度で広い測定範囲をもつことが確認された. 再現性は, 実験内変動係数が27.4~50.8%, 実験問変動係数が29.3~81.5%であった. アンプリコア法とは良好な相関性を示したが (r2=0.960), アンプリコア法での値と比較して, すべてのサブタイプで測定値が有意に高くなることが認められた (平均3.1倍, p=0.002).特にサブタイプCの試料ではその傾向が強かった (7.1倍). アンプリコア法からTaqManマニュアル法に移行する際には, この点に留意する必要があると思われる. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.1 |